アルパインクライミング・沢登り・フリークライミング・地域研究などジャンルを問わず活動する山岳会

投稿者: gams Page 9 of 11

瑞牆山カンマンボロン中央洞穴ルート

2013年7月(赤沼ほか)

瑞牆と言えばフリークライミングでワイドクラックな印象ですが、今回行ったのはワイルド系マルチピッチルート。

アプローチは植樹祭の駐車場から瑞がき山荘方面に少し戻った駐車スペースからあがっていけば30分程度で到着。

よく目立つ大ハング目指してまずはフェースを直上。

チムニー状を出たり入ったり・・・・
このへんはルートファインディングの見せ場ですな。
最終的にハングしたの洞穴状に入り込んで、フェースを右上。
このへんが核心です。

穴のなかに消えていくと核心はおしま~い。

金ヶ岳北西尾根

2013年6月(赤沼)

偽八ヶ岳と称される茅が岳からすぐ近くに見える金ヶ岳は気になるピークだった。
妻の死亡、会社の経営危機と、今年は個人的に問題点山積みでなかなか山にいけない状態。
でも少しは山にでも行かないと人間だめになるよな~
ということで軽い山に出かけることとした。

さあどこに行こうか。軽い岩稜でも登りたいな。
イメージとしては御座山北西稜とか、碧岩南西稜、男山ダイレクト尾根あたりの感じ。でもずっと山に行き続けてないと情報なくなっちまってなかなか手ごろなのが思いつかない。

気になる山金ヶ岳はそういえば岩っぽかったな~
地図を見ると道記号のない西面に毛虫マークをいっぱい発見。
よしここらから登ってみよう~

中央道須玉から金ヶ岳西面にあるヴィンテージGC沿いの林道に入る。
湯戸の沢を渡る橋の手前から、通行止めとなっている沢沿いの林道を歩き始める。
ルートはこんな感じ。
↓   ↓   ↓   ↓


このゲートからスタート

前方に崩壊地のような、岩壁なようなものが見え隠れするが、クライミングの対象とはなりそうもないな・・・

沢から左の尾根を目指して登っていくと岩場になるので、左からまき気味の稜線上にあがっていく。

稜線をしばらく行くと、踏み跡がでてくる。金ヶ岳までは約2時間で到着。

海金剛「スーパートリトン」

2013年3月(赤沼ほか)

海金剛は縁あって、なぜかスーパーレインを2回も登ってしまった。

せめてあと1本くらいは別のルートを登らねば・・・ということで、スーパートリトンに行ってきた。

海金剛「スーパートリトン」のある岩壁全景。

取り付きまでのスラブ壁は下又白を思わせるようなぼろぼろ草付&フリクションのよいフェース。
結構危険なんでロープをつけてあがる。

スーパーハルナに向かうアンダーフレークのすぐ右横、ハング気味のクラックが取り付き。

核心部の逆くの字クラック

横に走った小さなバンドの上に立ちこんで、上部のクラックに手をいれたらほぼおしまい。

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逆くの字クラック終了点から右にトラバースしてこのクラックに取り付く。

このへんのダイナミックな登攀は楽しい♪

このダブルクラックを越えると傾斜が落ちる。右上していけばスーパーレインの最終ピッチ手前に飛び出して終了。

クライミング中ずっと眺められるこの展望が海金剛最大の魅力ですな。

伊豆・海金剛「スーパーレイン」再登

2012年12月(赤沼ほか)

つかぬことから先日登ったスーパーレインを再登することになった。
この前は体調(モチベーション?)不良で全ピッチフォローという珍しいパターンでの登攀だった。これはこれで新鮮というかお気楽モードがとても楽しかったわけだが、今回は体調も回復したのでリードも交代しながら行くことにした。

この前の快晴無風とまではいかず、多少の風があったもののまずまずの登攀日和。

3ピッチ目の核心。今回はリードさせてもらった。この右上するところがちょっといやらしいね~

いつもニコニコしているNさん。

ピッチ最後のオフウィズスも手のサイズによってはいやなところ。
カム5番が欲しいと言われているが、4番だけでも登れます。

4ピッチ目の小ハングを越えるNさん。

下部要塞は右側のかぶり気味のクラックから。最初の部分がかぶっていて頭使うね。

赤沼記

伊豆・海金剛「スーパーレイン」

2012年11月(赤沼ほか)

下又白谷での妙にヘビー(ハードではなく)なクライミング以降、どうも調子がでない。
どうやら燃え尽きてしまって、やる気がなくなっているらしい。
ジムに行っても決して身体がつらいわけでもなく、ただ登れない。

そんなときあの有名ルート「スーパーレイン」に行く話があったものだから、ここはパートナーのF君とA子ちゃんに甘えて、依存度100%でのクライミングに連れて行ってもらうこととなった♪

海金剛、スーパーレインを見上げる

1ピッチ目の最後がちょっと嫌な感じのトラバースになる。


3ピッチ目、このあたりから楽しいクラック登り♪
右上するクラックはスタンスの処理がポイントかな。

ほら♪足が使いにくそうでしょ~

そのあとは少し開き目のクラックを登る。でも完全なクラック登りというわけでもなく、適度にホールドもあったりするので案外お気楽に登れる。
なによりもこの快晴、無風のコンディションのなかこういう岩遊びができるって幸せ~

クラックをうまく使って、小さなかぶり気味のフェースを二つほど超えていく。

西伊豆の良さはなんといってもこの海の美しさ。

A子ちゃんもとても楽しそうに登ってきます。

下部城塞は右手のクラックから。上部が少しかぶり気味。でもガバあり。力まかせに登るのもあり、テクニックでいくのもよし。

というわけでルート自体はあっという間におしまい~

落石が多いとか、グレードの割に難しいとか、完全なアルパインだとかまあいろいろ聞かされて、脅かされて、身構えてきたんですが、天気に恵まれたせいもあるんでしょうが、とにかく快適で、変化にとんでいて、かといってそれほど難しいわけでもなく、岩も堅く・・・・そして何より、その晩食べたイセエビが美味だったわけで、大変に楽しい一日となりました。

(赤沼、記)

下又白谷奥壁の初登攀「山巡ルート」

登攀日:2012年10月2日 (赤沼ほか1名)

下又白谷の奥壁と聞いても知らない人がほとんどだろう。
かなり詳しい(マニアック?)な人でもせいぜい菱形岩壁を思い浮かべる程度ではないだろうか?

数十年前に下又白谷の地域研究を始めた山岳巡礼倶楽部の先輩たちは、下部本谷F1手前の前壁から明神東稜に抜ける岩稜(山巡稜と命名)を登り、本谷の滝群の概念をはじめて把握。
その地域研究の一環として「下又白谷の奥壁」初登攀の記録が山岳巡礼倶楽部の会報「GAMS30周年記念号」に記載されている。(詳細はこちらを参照

1980年台に再開した下又白谷通いのなかで、前穂の奥又側、一尾根第一支稜ともいうべきウエストンリッジや一尾根正面壁の登攀を通して、上部岩壁群の概要も少しずつわかってきた。

GAMS30周年記念号で下又白谷奥壁とされていたのは、筆者が下又白谷上部の概要をまとめた際に「前衛壁」としていた部分と考えられる。
下又白谷でもっとも奥に位置し、明神岳にまっすぐつきあげる岩壁を登ったため、位置関係を正確にさせるため、勝手ながらGAMS30号で発表された「奥壁」は、前衛壁として紹介させていただくこととした。

下又白谷の上部岩壁群で登攀対象となると考えられるのは、
一尾根から明神にかけての稜線につきあげる3~4本の岩稜とその側壁群、
さらに明神岳に直接せりあがる大きなスラブ壁、そしてその前衛ともなる前衛壁となる。

下又白谷奥壁山巡ルートを登った際の経路を赤破線表示。

さて奥壁へは下又白谷の上部本谷からアプローチすることとなる。
かつてウエストンが嘉門次とともに下り立ったのは、ひょうたん池からだが、今回は少しでも上部から下りたほうが楽だろうということで奥又白池から行くことにした。

徳沢付近から下又白谷上部を望む。

奥又白池からの下又白谷奥壁。(登ったルートを書き入れてあります)

奥又白池から茶臼コルを経由、ガレガレの沢を下又白谷本谷に向かっておりていき、上部から下りてくる岩稜の末端あたりを巻き込むようにトラバースしていく。
本谷の向こう側は明神岳東稜上の、ひょうたん池のコル。
東稜が岩場になるあたりの右下からが垂直の岩壁となっており、位置からみてそこを下又白谷奥壁の前衛壁とした。

前衛壁に沿って登って行くと、ガレがだんだんに急になり、インゼルとのコル状のうえに出る
。 ここを奥壁新ルートの取り付きとした。

ここからやぶに覆われた左のリッジに取りつく。
1ピッチ半でやぶがなくなり岩稜となるが、3ピッチほどで垂直の壁にはばまれ、岩稜はそのまま奥壁のフェースへとつながる。
岩稜が消えたあたりから上部を仰ぐ。

顕著な真っ白なスラブが伸びあがっているが、ここはスレート状の剥奪しやすい岩質で、しかも岩が白い砂に覆われており非常に怖い。

白いスラブから登ってきたあたりを振り返る。

ここから上部に見えるピナクル状の垂直壁を目指す。

ぼろぼろのスラブ壁をほとんどランナウトで登っていく。

垂直のピナクル下部をバンドを拾ってトラバースを繰り返しつつ高度をじわじわと稼いでいく。
脆いのでハーケンは岩を破壊してしまう。
小型のカム類でわずかに支点をとっていく。
核心となるこのあたりはカムをいれるクラックすらなく、岩角にちょうちょ結びしたシュリンゲを唯一の頼りに勝負することとなった。
この支点で、真下はすっぱり切れ落ちたぼろぼろの岩。
こわいこわい。

垂直部をようやく越える。
これで安心!と思ったらここからさらに脆さが増してきた。

大きな岩も、小さな岩も浮いたものはすべてたたき落としつつザイルを伸ばす。
それにしてもトラバースの多いルートとなった。

脆い岩にうんざりしてきたころ明神の稜線に向けて少しずつ傾斜が落ちてきて、夕方暗くなるころようやく稜線に飛び出した。

明神岳の山頂はここからすぐだった。


ルート概略 ①~② 約4ピッチの岩稜
②~③ 急なフェースにあたったら右へトラバース。
白くて脆いスラブ状壁を右上に登って行き、右のリッジを目指す。2ピッチ。
③~④ このあたりが核心。
真上は垂直のピナクル状岩壁。
右へ右へとバンドを拾って逃げていくが、すぐに剥離するスレート状のフレークをつかんで垂直部を何度か越えないとならず非常に怖い。3ピッチ
ここから山頂までは少しずつ傾斜が落ちてくるが、岩は上へ行くほど脆い。

全10ピッチのルートとなった。(ロープを出したのは9ピッチ)

明星山P6南壁フリースピリッツ

2012年9月(赤沼ほか)

目的は有明山深沢右股正面壁を登ることだった。
1980年台に数回にわたって訪れ、右壁にルートを開拓しかけていたのが立ち消えになっており、それがずっと喉の奥に引っかかっていたのだ。>

しかし30年近くも前にどこを登ったかなんて覚えているはずもなく、まずはアプローチも含めて思い出すことからはじめようと出かけた。

パートナーは山スキーのベテランakkoさん。
雪のある間はぎりぎりまでスキー三昧なので、クライミングを始めるのは初夏から。秋に近づいてくるとクライミングの調子もあがってくるらしい。

深沢はたしか運動靴で登っていたと記憶するのだが、実際は沢靴でも怖いくらいにぬるぬるしている。

登山大系の遡行図を見ながらアプローチする。
右股に入りたいのだが、そこまでに滝が5つのはずが、倍近くの大きな滝がでてきてもまだ右股らしいところに至らない。

これは絶対右股を見逃したのだろうということになり、下降。

それにしてもどの滝も悪い。
やぶのつきかたが半端ないのだ。

結局右股は見つからず、どうやら遡行図がだいぶ滝を飛ばしているのでは・・・・となり、しかしここまで下りてきてはもうやる気も出ず敗退となった。

さて最高の天気の中敗退してみるとどうにも気持ちがすっきりせず、転進先と決めていた明星山に行くことにする。

P6南壁をまん前に見る駐車場で星空を見ながら宴会をし、翌朝みやげもの屋のすぐ横の踏み後を下る。草が多い茂っておりかなりいやな感じだ。
岩がぬるぬるしているので念のため靴を脱いで渡渉。
壁の右手のがれ場が少しあがったあたりが取り付き。

P6南壁に取り付く。最初は草つき混じりだが傾斜は思ったより強い。

天気は最高に良く、だんだんに日差しが強くなってくる。そういえば朝涼しかったもので水を1リットル程度ずつしか持ってきていない。なんかこのあたりからいやな予感が・・・・

下部の核心部に向かって傾斜が増してくる。
このルートは開拓直後に一度登っているのだが、そのころよりは大分残置ハーケンなども増えている。
それでも恐ろしく感じるのはやはり年齢でしょうね~

壁の弱点をついたこのルートはハングの間をトラバースを交えて登っていく。なのでフォローもかなり怖い。

それにしても急なルートだ。
と、このあたりでまだ半分に達していないが写真はここまで。
5ピッチ目を終えるあたりまでで水をほとんど飲んでしまい、あとはルートの内容には頭がいかないほどのどの渇きとの戦いとなったのだ。。。

ひたすら水を求めつつルートを終了。
南稜の踏み後を歩いてくだり、沢で湧き水に歓喜し、下山した。

(赤沼記)

錫杖岳前衛壁1ルンゼダイレクト・注文の多い料理店

2012年8月 (赤沼ほか)

フェースブックで知り合った仲間数人と錫杖でのクライミングを満喫しました。

ルートが混んでいたので、1ルンゼは一般ルートの少し右を登る。結構悪く行きつ戻りつしながらの登攀となりました。

注文の多い料理店は楽しいクラックが続く好ルート。

西上州・毛無岩ルンゼ状スラブ

登攀日:2012年5月26日(赤沼・小見麻紀子)

当時未踏であった毛無岩の岩場に1本のラインを引こうと、ここに通い出したのが1985年の秋。
1986年この壁の弱点をついたルート「ボレロ」を開拓。
同日に他パーティー(恩田隊長グループ)がボルト連打の人工で登った烏帽子岩直上ルートは、たくさん打ってあるボルトのお陰で結構快適なフリークライミングのできるルートとなっていた。

この烏帽子岩直上ルートを登った際見たのがこのルンゼ状スラブのライン。

漏斗状のスラブは上部に向かって傾斜を増していき、垂直にせりあがるピナクルに終結していく。
西上州特有のプロテクションのとりにくさ、フリー自体の難しさが予想されるこのルートを落とすには、山そのものの判断よりは、いざというときに無理難題なムーブに耐えながら落ちずにいられる柔軟性が必要な気がした。

そういうわけでアルパインクライミングの経験はないものの、フリーでは高難度をこなすオマキさんにパートナーをお願いした。

オマキさんのブログ1
おまきさんのブログ2

ルンゼ状スラブの全景

出だしは中心の少し濡れた状態のスラブを登っていく。
傾斜はまだあまりないが、意外に悪い。
1P登ると残置ボルトを発見。
先登者がいたらしい。
だがボルトはすでに腐っており(というかまわりの岩がぐずぐずなので・・・)、3本打ってあったボルトはすべて手で抜けた。
ここはボルトを打ち足してビレイ。

2P目から傾斜が増してくる。
滝状になった垂直部はホールド、スタンスともに小さく厳しいバランスでの登攀となる。
写真は垂直部をフォローするオマキさん。

垂直部からひょこっと顔をだす。

3P目から先もまったく油断のできないスラブで、徐々に高度感もでてくる。古いボルトが打たれているので一応プロテクションをとっていくが、ほとんど信用はできず。 上部に見えるフレーク状の岩にプロテクションがとれるかと期待して直上するものの、中がどろどろで役に立たなかった。

3P目終了点から先はかぶり気味となってくるため、ここから右のルンゼ状に逃げることとし、4P目は真横にトラバースすることとする。

右のルンゼ状を少しあがるとコル状のテラスにでる。ここにも残置ハーケンがあった。おそらく先登者もここを行ったのだろう。 ここから草付交じりのリッジを直上。山頂方面に向かう。

鹿島槍ヶ岳鎌尾根

2012年5月3日(二階、赤沼ほか)

今では山巡の御大N氏から「春山合宿やろうぜ~!」との声がかかりいくことになった。
計画ではダイレクト尾根に行くつもりだったのだが、この日は気温も高く雪崩の危険が高いと判断し、鎌尾根に変更となった。

登山口から歩きだす。上部は雲に覆われていますな~

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案の定デブリの跡がかなり見られる。

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デブリを避けてテントを張る。ここから鎌尾根の往復をすることに。

鎌尾根を行くN氏。

上部に行くにつれ天気が怪しくなってくる。ラッセルにくたびれのんびり登っていると後続パーティーが追いついてきたのでラッセル交代してもらう。

鎌尾根終了点の雪庇からはいあがってくるN氏。このへんから吹雪が強くなってくる。

装備古いって?スパッツだけはN氏からもらったおニューですが。

山頂往復のあと、同じルートを下山。雪庇を降りるところがちょっといやらしかった。

最後に山頂でくつろぐおっさん二人の図。

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