2014年10月11日(赤沼ほか1名)
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アイスであれクライミングであれ、松木沢に通ったことのある人なら誰もその存在に気がついているのではなかろうか。
銅親水公園の駐車場から林道を歩き、奥のゲート(前はここまで車で入れた)から左にジャンダルムを眺めながら15分も進むと左手に見えてくる側壁群のことだ。
がれ場をつめていかなければならないジャンダルムに比較して、この側壁群は松木沢の水流からいきなり岩壁が始まり、上部石塔尾根のほうに向かって急峻でしかも実にいやらしそうな岩層を露出させている。
今簡単に入手できる松木沢の資料を見る限り、ここにルートが拓かれた形跡はない。
脆くてやばすぎるのか?
登ってみると実はかなりちんけな岩場で誰も発表してないだけか?
いろいろと憶測をしつつも気になっていたここにとにかく行ってみることにした。
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松木沢右岸の無名沢を越えると側壁群が見えてくる。ここから黒沢あたりまでこんな感じとなる。
松木沢の対岸に見える側壁群はやはり相当切り立って見える。
「な~に岩場なんてたいてい下まで行けば、案外寝てるもんよ~」
とか言いつつアプローチするが、登れるところあるんかいな?という気持ちがかなり強まってくる。
全体が黒光りしていることもあり、比較的白い壁の露出が多いフェースを一応のターゲットとして渡渉して行く。
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ターゲットの白いフェースの下はハング気味でしかも黒光りしているので、左よりのフェースを登ることにする。
そのフェースと白いフェースの間にはいかにも岩雪崩の出そうないやな感じのルンゼが切り込んでおり、実はこのルンゼをアプローチするのが一番楽なことに後で気がついたが、このときは落石をなるべく避けたい気持ちからこちらに取り付いたわけだ。
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まずは草つき交じりのフェースから取り付く。
小さなフェースを越えるとすぐ右側からのルンゼに合流。
そのままルンゼを登るのが一番優しそうなルートになるが、落石におびえつつがれがれのルンゼを登るのも気持ちが乗らない。
初志貫徹しようと右のフェースを見上げる。
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ルンゼに合流すると階段状の滝となる。滝をあがったあたりが右フェースへの取り付きとなる。
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右のフェースは傾斜は強いものの摂理がきれいに入っていて、カムも効きそうだ。
ここでなんと残置ハーケン発見。かな~り古い。
先人もここに来ていたかと気持ちを強くして登攀開始!
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2P目のフェースは上部で少し傾斜を増してくるもののカムをいれるクラックには事欠かず、安心して登ることができる。体感5級といったところ。
慎重に登りすぎてカムが足りなくなり、フェースの中心に飛び出したところでピッチを切る。
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3P目は遠くから顕著に見えていた白いフェースのど真ん中を直上するピッチとなる。実に気持ちよくぐいぐいと高度を上げる。
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4P目。これが実質最終ピッチ。白いフェース最上部のまんなかにきれいなクラックが走っているので、どうせならここを登ろうと取り付く。左のフェースをあがれば少し易しいようではあるが・・・
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クラックを越えると実質終了点。ここから先は岩稜を歩いて石塔尾根まで行けるが、取り付きにザックをデポしてきているし、体力も自信がないのでここから潅木を支点に懸垂下降する。
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登って下りてきたルートを真下から見上げる。
右の岩塔のてっぺんが終了点。このフェースのどまんなかを登るルートとなった。
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2014年10月11日登攀。取り付き10:30am終了12:30pm。カムは小さめを中心に2セット程度使用。下降用に長めの捨て縄があったほうがいい。
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