アルパインクライミング・沢登り・フリークライミング・地域研究などジャンルを問わず活動する山岳会

月: 2022年5月

野猿返し&宴会

どこか登って、わが八ヶ岳の家で宴会するシリーズ。
もう何回目か忘れたが、そのお題として何度もあがった野猿返し。
お気楽に登れる楽しいクライミングルートらしい。宴会のお題としては理想的。
毎度ほかの開拓に走ってしまったり、天気が悪くて藪山歩いたりとなかなかクライミング実現せず。

今回は強め女子3名がクラック練習に行くので、八ヶ岳のほうに我々夫婦がいれば立ち寄って宴会したいな~というお話。
諸々調整の結果、女子3名と私の4名で野猿返しを登って、宴会して、翌日は女子3名がクラック練習ということになった。仕事と孫相手の忙しい妻は今回の宴会には不参加。

メンバーはドライツーリングの日本代表選手として世界を転戦しているメパンナ笹川さん、女子だけの山岳会、銀嶺会の組長宮田さん、それにふたりの妹分として可愛がられているらしいサキちゃん。

川上村から大弛峠に向かう林道途中から沢を渡って取付きへ。女ボス二人は靴のまま飛び石でヒョイヒョイ、サキちゃんは軽くドボン、私は裸足になってバチャバチャ渡渉。

さすが人気ルート。先行パーティー2名x2組

我々も2組。宮田、赤沼パーティーと笹川、サキちゃんパーティー。
先行は初心者含みでゆっくり登っているので、ごちゃごちゃになりながら先に行かせてもらう。この辺から景色も開け新緑がまぶしい。
ちなみに先行パーティーの女子1名は、何かで宮田組長を知って憧れていたらしいよ。

岩は硬いし、フリクションも効くし、楽しく、気持ちよく登れます。
青空!
この辺からが核心部らしい。
核心部の終了点から手を振ってるの見えるかな?

東股沢をはさんだ対岸の兜岩。たぶんまだクライミングの対象にはなっていないと思われる。偵察に行かねば。
後ろの方に小さく笹川さん、サキちゃんパーティーが見えてる。
左から宮田組長、サキちゃん、メパンナ笹川さん。
終了点で女子3名しゃべり倒しながらの昼食。
シャクナゲの花がいっぱい。

午後3時には早くも宴会開始。おじさんは表でウインナーの七輪焼き中。
クレマティスが満開。

川上村のマイナーピーク、雨降山

クライマーにはお馴染みの金峰山川沿いの林道は、途中の分岐から右へ行けば西俣沢のキャンプ場、左に入れば大弛峠を越えて山梨に至る。
大弛峠の手前に最近人気のクライミングルート「野猿返し」がある。
それほど難しくなく、宴会ネタとして登るのにちょうどよいらしい。

もう何回目になるのかも忘れたが、どこか楽しく登って、その話をネタに八ヶ岳のわが家で飲もう!という、Climb & Drinkの集まり。
今回お題は野猿返しとなった。
面子はいつでもハイパー宮田さん、ダンディー家口さん、ニコちゃん大魔王野口さんと私の4名。

土曜朝、現地手前のスーパー「ナナーズ」に集合。
前日から降った雨はようやくあがったものの、岩場は濡れてるだろうな~
一応登山口までは行ってみたものの案の定岩場は濡れて黒々としているので、即刻転進プランの雨降山登山に切り替え。まあおいしく酒が飲めれば登る場所にはさほどこだわらないわけ。

雨降山は野猿返しのある金峰山川東股の右岸の尾根上にある。
雨降山登山は宮田さんから提案されていたが、私もこの尾根には前から関心を持っていて、北の千曲川のほうから入山を試みたが、入山禁止の柵が延々と張り巡らされていてあきらめた場所だ。
野猿返しのあたりからなら尾根上に出られるのではないかと、ひそかに狙っていたルートでもあった。

ネットで検索すると、この尾根は岩峰をいくつか配置する結構厳しめの尾根っぽい。

大弛峠への林道から支流の右岸にある踏み跡から入山。

堰堤がいくつかあって、最後の堰堤で踏み跡がとだえる。
ここから傾斜の比較的緩そうな山腹をあがってみることにする。

地形的には間違ったルート選択ではなかったと思うが、この斜面ではかなり大規模な間伐が行われたらしく、倒木だらけで歩きにくい。

雨上がりの湿度もあって全員汗まみれでの歩きとなった。

稜線に近づくにつれて岩場が出てき始める。
全身泥まみれの行進
山頂手前のピークあたりは、露岩+しゃくなげの藪漕ぎとなり苦労したが、山頂手前のコルでようやく視界が開ける。
しゃくなげに覆われたここがなんと雨降山山頂
記念撮影

倒木と露岩としゃくなげの藪に苦しんだ往路を避け、植生の疎らそうな沢方面に下る。
なかなか素敵な斜面で歩きやすい
小さくてかわいいスミレ類が豊富で、スミレマニアの宮田さんは大喜び
楽しい山のあとの宴会は異様な盛り上がりを見せ・・・



ビバ!南相木村–臨幸峠~村界尾根の無名峰

2022年5月2日

スマホの無料GPSアプリも普及し、地図に道のない山はかなり身近なものとなってきた。
1)カシミール3Dで地図を眺める。
2)気になったピークの地域名や標高で検索
3)まあ大概、地図に記載のない山の名前とGPSトラックデータ入りのヤマレコデータなんぞが見つかる。
4)トラックデータをiPhoneに転送して、そのあたりに出かける。

そんな山の楽しみ方も普通にできるようになってきた。

さて最近ちょっと気になってる南相木村の山々。

マイナーな山ヲタクの掃きだめ、ヤマレコあたりを見てもこの地域の情報は希少だ。
でも地形データを眺める限り、ここは絶対楽しいはず。
どうも宝の山な匂いがする。

臨幸峠という峠が気になる。
南相木と佐久をつなぐ小沢志なの入トンネルが開通する以前は山道があったが、今では廃道に近い状態らしい。
この臨幸峠から南方向は、きれいな尾根が男山と天狗山間の稜線にまで伸びている。北方向は、先日登った海ノ口城址のある城山に至る。この尾根は佐久の南牧村と南相木村の村界尾根にあたる。
山歩きの記録がないか検索してみたがなにも見つからない。
これはかなり疑わしい。パトロールに行かざるをえまい。

先日登った立岩の横から伸びる林道の行き止まりに車を停めて出発。

臨幸峠までは沢沿いの急斜面。古い踏み跡はあるらしいが、シダ類に覆われて判別つかず。妻は気持ち悪い~を連発。
臨幸峠に出ると展望が開ける。樹林の間に北岳~甲斐駒~八ヶ岳~浅間山などが見える。男山もすぐ近く。
尾根に出てシダ類から解放され、ご機嫌な妻
1544mピーク。期待した山名表示等は一切なし。
先日登った峰雄山かな?
今日はここまで。1591m峰。やはり山名標識などない。
最終到達地点。
往路を戻る。
臨幸峠からの下り。地図上は沢沿いに破線の記載があったが、踏み跡が沢の左岸尾根方面に伸びているのを発見。こちらのほうがシダ類の急斜面を回避できて快適。
樹間を蛇行する快適な尾根道を下山。
下山後は南相木ダムの観光。ずみ岩、天狗山などが眺望できる。

南相木村・立岩~峰雄山

群馬県の西上州エリアには妙義を中心に特異な岩峰が多く、それらを愛好する篤志家たちがいる。
その西、長野県の東信州エリアには八ヶ岳や浅間山などの名峰が連なり、川上村には小川山や男山、天狗山といったクライマー好みの岩山も多い。
南相木村はちょうどそれらの狭間にあって、存在感の薄い感じがする。
つまり・・・・玄人好みの地味な山が多くあるだろうと思われる。
先に投稿した「恩賀高岩偵察行」に行く予定だった日、予報に反してアプローチしたとたん雨が降り出したので、天気の持ちそうなこの南相木村に遊びに行くことにした。(恩賀高岩の偵察はその翌日行った。)

さて観光資源も有名な山も乏しい南相木村にあって、数少ない名所の一つとされているのがこの立岩。
立岩湖のほとりにある60mほどの岩峰で、山頂には祠があって、クライミングのルートもあるらしい。
まずはこいつを登ってみようということになった。

立岩湖への道をドライブしていくと林道の対岸に屹立する立岩が見えた。

立岩へは村道のすぐ先の橋を渡って裏側から登るのが一般的らしい。
高差は正面に比べてだいぶ少なく20m程度か。
階段状の簡単なフェースのようで、ハンガーボルトもべた打ちしてある。

これはすぐ登れるとして、まずは岩の正面側まで基部をまわりこんで偵察におりていく。

真下から見上げた正面壁

傾斜強い、節理ない、組成も柔らかそう・・・・つまりやばそうな壁。
どうも登られた形跡もないようですな。
結局、登られているのはてっぺんに行くだけが目的の易しそうなルートと、その近くにとってつけたようなフリールートらしきものだけの様子。
この正面壁は今回のようなついでな気持ちでは登れるわけもなく、まあてっぺんに行ってこようかと、裏側に戻る。

裏側のルートを野口さんリード中
てっぺんの祠から県道を見下ろす

昼から雨という天気予報を見てでかけたので、かなり早起きして出かけたためまだ時間はたっぷり。

カシミール3Dの地図によれば、南相木村で山頂名の記載された山は二つだけ。峰雄山とずみ岩というもの。ずみ岩というピーク名にはかなりそそられるものがあるが、まずは手前の峰雄山に登ってみよう。

以前調べたところ、立岩から峰雄山に縦走している人がいて、岩場の通過に苦労している由。まあそんな記述を見て、岩登れるところあるかもな~という下心もあって、岩場偵察もかねようというわけ。

注:ちなみに御座山、男山、天狗山などが南相木村の山として紹介されることもあるが、地図をよく見ると御座山の山頂は北相木村、男山、天狗山は川上村にあるように見える。国土地理院の定義では「山とは地面の盛り上がった場所」という意味しかないそうなので、特定の山頂=特定の山とは限らないわけで、御座山などの山体が南相木村にあることもたしかなこととすれば、南相木村の山と言ってもいいのかもしれない。

立岩湖から峰尾山まで稜線が続いている。
縦走は長いので、まずは山頂に行こう。

峰雄山南面の村道から林道に入り、山頂に一番近そうな林道終点から歩き出す。

なんとなく踏み跡もあって歩きやすい。
岩もごろごろと出てくる。比較的硬そうな岩。
ここが山頂。

稜線を立岩方面に少し歩いて別のルートを下りようかと思ったが、南斜面はかなり急なので往路を戻ることとする。

奥に見えるのは御座山かな
ところどころ岩場が出てきて回り込みながらの歩きとなる。

日本一標高の高い場所にあるダムらしい。



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