群馬県の西上州エリアには妙義を中心に特異な岩峰が多く、それらを愛好する篤志家たちがいる。
その西、長野県の東信州エリアには八ヶ岳や浅間山などの名峰が連なり、川上村には小川山や男山、天狗山といったクライマー好みの岩山も多い。
南相木村はちょうどそれらの狭間にあって、存在感の薄い感じがする。
つまり・・・・玄人好みの地味な山が多くあるだろうと思われる。
先に投稿した「恩賀高岩偵察行」に行く予定だった日、予報に反してアプローチしたとたん雨が降り出したので、天気の持ちそうなこの南相木村に遊びに行くことにした。(恩賀高岩の偵察はその翌日行った。)
さて観光資源も有名な山も乏しい南相木村にあって、数少ない名所の一つとされているのがこの立岩。
立岩湖のほとりにある60mほどの岩峰で、山頂には祠があって、クライミングのルートもあるらしい。
まずはこいつを登ってみようということになった。
立岩へは村道のすぐ先の橋を渡って裏側から登るのが一般的らしい。
高差は正面に比べてだいぶ少なく20m程度か。
階段状の簡単なフェースのようで、ハンガーボルトもべた打ちしてある。
これはすぐ登れるとして、まずは岩の正面側まで基部をまわりこんで偵察におりていく。
傾斜強い、節理ない、組成も柔らかそう・・・・つまりやばそうな壁。
どうも登られた形跡もないようですな。
結局、登られているのはてっぺんに行くだけが目的の易しそうなルートと、その近くにとってつけたようなフリールートらしきものだけの様子。
この正面壁は今回のようなついでな気持ちでは登れるわけもなく、まあてっぺんに行ってこようかと、裏側に戻る。
昼から雨という天気予報を見てでかけたので、かなり早起きして出かけたためまだ時間はたっぷり。
カシミール3Dの地図によれば、南相木村で山頂名の記載された山は二つだけ。峰雄山とずみ岩というもの。ずみ岩というピーク名にはかなりそそられるものがあるが、まずは手前の峰雄山に登ってみよう。
以前調べたところ、立岩から峰雄山に縦走している人がいて、岩場の通過に苦労している由。まあそんな記述を見て、岩登れるところあるかもな~という下心もあって、岩場偵察もかねようというわけ。
注:ちなみに御座山、男山、天狗山などが南相木村の山として紹介されることもあるが、地図をよく見ると御座山の山頂は北相木村、男山、天狗山は川上村にあるように見える。国土地理院の定義では「山とは地面の盛り上がった場所」という意味しかないそうなので、特定の山頂=特定の山とは限らないわけで、御座山などの山体が南相木村にあることもたしかなこととすれば、南相木村の山と言ってもいいのかもしれない。
峰雄山南面の村道から林道に入り、山頂に一番近そうな林道終点から歩き出す。
稜線を立岩方面に少し歩いて別のルートを下りようかと思ったが、南斜面はかなり急なので往路を戻ることとする。
日本一標高の高い場所にあるダムらしい。