金峰山山頂近く、千代の吹上の上を行く稜線登山道から眼下に望まれる独特な姿の岩峰が、3~4つの岩峰から形成される第三岩稜の一番上の岩峰(A峰)だ。

A峰を下(南面)から見上げるとこうなる。
この正面壁を登って、特徴あるチムニーにはさまり、このピークに立ちたい。
ちなみに側壁からこのピークには以前立っている。(下記リンク参照)

そしてようやくこのチムニーから念願のピークによじ登ることができた。
そしてこのクライミングで千代の吹上通いも一段落かな。

今回のパートナーは頼れる兄貴、中尾政樹さん。
B峰のクライミングもご一緒してくれた。

前回は長いアプローチを嫌って、前夜大日小屋に宿泊したが、あまりの臭さ、汚さに辟易して今回は早朝発の日帰りプラン。
砂払いの頭手前から第三ルンゼを下降。左岸に向かってA峰B峰のコルへ。
上の動画はコルからA峰周辺を撮影したもの。

コルから短い懸垂一回で取付きへ。

壁の中央付近のクラックを目指して中尾さん離陸。
「岩が脆くてどれもはがれそうだよ~」などと叫ぶ兄貴。
しかもクラックは節理がちゃんと入っていなくて苦労している様子。(赤沼は木の葉陰でビレイしているので様子がよくわからない)
そして「残置ボルトがあった~」と。
古めのリングボルトらしい。
どうやら誰か登っているみたいですな。
残置ボルトがあるとはいえ、チップが見えるほどの浅打ちで、危険な感じとのこと。
中尾さん「どうせなら登られているラインよりは、まだ登られていないラインから行こう。」と、その浅打ちボルトにそっとテンションをかけながらクライムダウンしてくる。

左よりのラインに向けてやりなおし。
10メートルほど?あがったところで、壁の中央に向けてトラバースとなるが、ロープが浮石を落とすと赤沼直撃の位置だったので、ここでいったんピッチを切ってくれた。

ここからも風化した花崗岩をだましだまし壁の中央部に行き、そのまま上部へ。ちょっとしたリッジをまわりこんで行ったため、赤沼からは様子が見えないがロープは着実に伸びて行き2ピッチ目も終了。

2ピッチ目フォロー中の赤沼

2ピッチ目も脆いところがあって気は使うけど、それほど難しくもなく、割と楽しいクライミングで例のチムニーの真下まで。
そしてこのピッチにも残置ボルトがあった。
ロープピッチとしてはそのままピークアウトできそうだがここで2ピッチ目終了。
最後のおいしいところを赤沼のためにとっておいてくれたみたい。
「最後のピッチ登る?」と言ってくれたけど、「いや今回は中尾さんが最後までやっちゃってくださいよ。こういうワイド系は中尾さんの得意分野だし。」と赤沼。

さっそくワイドクラックにはさまって楽しそうな中尾さん。
最初のこの辺が核心のようだ。
そしてチムニー内は狭すぎてヘルメットが邪魔のようで、脱いで荷揚げ用バックロープでおろしてきた。

中尾さんの身体はどんどん奥へと吸い込まれていき、すぐにピークアウト。
赤沼はせっかくのトップロープなので、核心部は中に入っていんぐりもんぐりするのを避け、レイバックでワイルドに登ってみる。

チムニーにはさまって嬉しい赤沼

ピークに出た~。
最近得意の自撮り棒で記念撮影。

A峰のピークからも少し岩稜がつづくが、面倒なのでロープをはずして樹林ごしに登って行き、途中から岩稜上に。

岩稜を少しあがったところから中尾さんの雄姿を撮影。
この画がほしくてあえて樹林から岩稜のうえに出たわけ。

もう一枚。

さて打ち上げには菊地ガメラ氏も合流して四方山話。
「今日登ったところは未踏だろうと思ってたけど、登られていたみたいですよ。」と赤沼。
「あれだけ目立つ岩場だから結構登られてるんじゃないの?そういえばY野井さんあたりが、ヒマラヤの練習のためにあの辺をだいぶ登ったらしいよ」と山岳界の事情通ガメラ氏。
Y野井さんレベルのクライマーなら、ナチュラルプロテクションで登るだろうし、練習意識なら記録なんかださないだろうし・・・・ということで、この一帯も何度かは登られているんだろうなという印象。
ともあれ、初登攀に興味があってのクライミングでもなく、あまり人に知られない楽しいラインを発掘することができたのがとても嬉しい次第。
第一岩稜、第三岩稜、第四岩稜の主だった(自分に登れそうな)ラインは完結。
第二岩稜、第一フェース、第二フェースは残っているけど、すでにだいぶ登られていて情報もあるので、「ルート発掘」的興味としてはまあ対象外。

そんなわけで千代の吹上通いはいったん卒業かな~。