アルパインクライミング・沢登り・フリークライミング・地域研究などジャンルを問わず活動する山岳会

月: 2024年5月

佐久・天狗山左壁「たまひよルート」開拓

たまひよルート開拓と言ったものの、岩登り要素よりは左壁の弱点を辿ってとりあえず左壁をトレースしたというところ。壁の正面突破はせず、田丸さんが日和ってルートどりしたから「たまひよルート」。

今回のパートナーはYCC (東京ヤングクライマーズクラブ)の家口さんと田丸さん。いつものでこぼこ酒飲みコンビ。

左壁は天狗山南面の岩場群の左端に広がるスラブ壁。

天狗山南面岩壁偵察時の写真
左壁の中心付近を田丸さんリードで離陸

一部垂直部の核心があり、ハーケンを叩き込んで突入するがかなり苦戦気味。節理の甘い岩壁なので灌木があてにならない。なんどか灌木をつかんで身体を上げようとした挙句、灌木が抜けて滑落。5~6メートル落ちてハーケンで停止。
幸い怪我もなかった様子だが、田丸さんこれでちと意地になったか?家口さんと私でルート変更を主張するが、もう一度トライするという
そして同じ場所で2度目の滑落。
「いや~あと3センチで登れたんだ!もう一度!」とか言う田丸さんを問答無用で戻って来させて、ルート変更。

左壁の岩壁基部に沿って右上。ちょっとしたテラスまで灌木、草付き帯をたどっていくと大きなテラス。というかすでにこの時点で壁全体の半分くらいまでの高さに達しているが・・・・
ここから再度、田丸さんリードで取付き。
今度は打って変わって慎重なルート選択で、バンドを2ピッチ左上していき、左壁左稜上に近いテラスに到達。
そして簡単なリッジを登って行くと終了点。
左壁の(おそらくは)初トレースとはなったものの、岩登り要素としては「巻き」に近いかな。

というわけで、田丸さんが日和って登った「たまひよルート」。
でもまあこれで左壁の様子がわかった。左壁はどこを登っても結構難しそうだな。

佐久・天狗山東岩稜

馬越峠から天狗山への登山道の途中に、ちょっとした前衛ピークがある。その南面に3段くらいになったフェースがある。今回は各フェース右側のリッジをつないで登り、東岩稜とした。というか、登ってみたら3段フェースというよりは、普通に岩稜と感じられた。

2023年10月に3段フェースを狙ってここを訪れたが、それぞれのフェース自体は急峻で思ったよりも小ぶりだったため転進して、天狗山ダイレクトに並行するように天狗山山頂に伸びるリッジを登って右壁右稜と名付けた。

さらに2024年4月、今度は各フェースの右側リッジ部分を続けて登って一本のルートとしてみようと再度訪れたが、コンディションが悪く、またまた転進して天狗山南面岩壁群に向かって伸びる岩稜を登り、南稜とした。

さて2024年5月11日、3回目の訪問。ようやく馬越峠への林道の冬期通行止めも解除されたので、馬越峠からのアプローチとした。
昨年10月に来ているのでアクセスはわかっている。
馬越峠からゆっくりと20分も歩けば天狗山の前衛ピーク。南に岩稜が落ちているのがわかる。
その手前から急な樹林を南に下る。右側に見えている岩稜に沿って行けば取付きまでは30分ほど。

パートナーは南稜にご一緒したニコちゃん。私と同年代のおじさん。
仕事を引退して、時折登山ガイドなんかをやっているそうだ。

緩いフェースから登り始め。
急峻なフェースが積み重なっているけど、弱点を選んで登っていけば容易に登れる。
3P目あたりは露出感がでてきて楽しい。
樹林の歩き、ゆるい岩稜、急なフェースなどが交互に出てくる。
岩が乾いていれば快適に高度を稼げる。苔が多いので雨のあとは行きたくない感じ。
やさしいところはどんどんランナウトで。
好きなラインどりで登る。難しくもやさしくも登れる。
垂直部を越えてくるニコちゃん。
6P目の急なスラブ壁が核心。1本だけ残置ハーケンがあった。山岳巡礼倶楽部のわたべ氏が、数10年前このあたりにハーケンを打ったとか言っていたのがこれのことかな?ルート中を通して唯一の人跡。
岩登りらしい楽しいパート。
あっという間に登ってしまった。前衛ピークで記念撮影。

ロープは歩きの部分も含めて全7ピッチだした。ロープをたたんでから1ピッチ分くらい歩いたので、ロープ8本分くらいのスケール。

トラックレコード

行って、見て、登れそうなところを登るという、最近お気に入りの山登りスタイルでした。

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