妻との雪山登山シリーズ。
先日の黒斑山がとてもよかったので、またどこか軽い雪山に行こうということになった。
妻は長い歩きは嫌だと言う。
山での泊まりも「寒いから」不可。
怖いところもだめ。
展望はよくて晴れてないとつまらん。
条件がなかなか厳しい。
私はクライミングのできる岩山ばっかり行ってて軽い山はあまり知らない。展望にも基本的に興味なし。最近妻と行くようになってはじめて「展望のよい山もよいな」と気が付いたところ。
人気のある山を調べればいくらでもでてくるけど、今度は私が「人が多いのがいや」なので、登山者が多いとすぐに下りようとか言い出すし。

ぐだぐだと悩んでいるとき、陽子ちゃんが共通の友人に連れられて、北杜市の別荘に遊びにきた。これが初対面で、この時は城址からはじめて、登山道のない里山を歩いた。

彼女は、我が家にも何度か来て一緒に登ったこともあるクライマーT君の相方だった人。T君は最近剣岳でクライミング中滑落して亡くなってしまった。
T君はとても無口な人で、一緒に宴会をした妻も「T君楽しくないのかな」と思っていたようだ。
でも陽子ちゃんから話しを聞くと、「人が好きでみんなが話をしている中にいるのが大好き」な人だったんだと。人ってわからんものだ。
T君は情報のないところでルートを探りながら登るのが好きだったらしい。また歴史的好奇心も相当持っていたようだ。
陽子ちゃんと一緒に古戦場を訪ねた際、いつまでもただの原っぱを眺めていて帰ろうとしないので聞くと、「武将たちが繰り広げる闘いの様子」をありありと妄想中だったとか。
もっと話ができていたら、楽しい山行がともにできたのかもしれないな。

さて、クライミングもするけど山歩きの大好きな陽子ちゃんから、「奥さんと一緒に行くなら」とお薦めされたのが南沢山。
冬の樹氷で有名な、雪山初心者に好まれる山らしい。
それなりに人気もあって、登山者が多そうなので平日に決行。

せいなの森キャンプ場近くから始まる登山道がポピュラーらしい。ここに車を停めてスタート。

いつものように、妻は「雪のうえはすべてアイゼンをつける作戦」。雪がしまって硬くなっているので初心者にはこれが正解。
少し暖かい日が続いたので樹氷は期待できない。
トレースばっちりで歩きやすい。
稜線に出たが、案の定樹氷はない。
残念ながら雲多め。
稜線に出るまでは結構急な道だったが、山頂付近は広くなだらかな雪原。
山頂まで2時間半程度。
暖かい日。
山頂でまったりとカップラーメンなど食べて過ごす。
雪も少し緩んできたので私はアイゼンはずしてずるずる滑りながら下山。妻はアイゼンはいて一歩ずつ着実に。
打ち上げはミート池田で買った高級サーロインでステーキ。