2014年8月
スロヴェニアのユリアンアルプス最高峰、Triglav (2864M)に行ってきました。
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トリグラフ北壁全景と登攀ルート(赤線ライン:German short route)
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今年はヨーロッパも日本同様おかしな天気で、雨と曇りの毎日。
天気予報をにらみつつ、ぷらぷらと散歩を繰り返す日々だったが、なんとか2日くらいは持ちそう!ということで16日の夕方に急遽小屋まで行くことにした。山麓の村MojstranaからTriglavふもとの小屋までは12キロ程度。舗装された道だが、バスは走ってない。途中に滝があったり、山が見えたり、気持ちのいい道ではあるが微妙にずっと登りだし、歩いていくのは大変。で、お願いして知り合いの車に乗せて行ってもらった。小屋の標高は約1000M。小屋に着くと、目の前にばーんと真っ白い山肌が姿を現す。これがあの北壁かあ。すばらしい!!ちなみに、夏休みだということもあり、駐車場も小屋も満杯の様子だったが、小屋に混雑感は全くなく、とても快適に過ごせた。
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8/17 晴れ
本当に久しぶりに朝から快晴。小屋から見える北壁が美しい。
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この日は一般ルートから山頂を目指す。一般ルートは3つあるらしい。続々と登山者が歩いていき、三々五々に分かれていくので、どっちに行けばいいのか何度か悩んだ。
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行きはPrag wegという北壁の合間をたどるルートからTrigrav Dom(小屋)へあがり、そこから山頂まで岩稜を約1時間。帰りはBamberg wegという別の道をたどる、という周回コースをとった。上りも下りも、あちこちにワイヤーや補助の鉄棒が取り付けられていて、必要そうなところには岩場にしっかりステップが切られている。とは言うものの、普通にⅢ~Ⅳ級はありそうな立った岩場がばんばん出てくる。クライミングが難しいということはないものの、高度感と露出感にかなり緊張させられた。(フェラータ用のカラビナをつけ、ワイヤーで確保を取りながら上り下りしている人も結構いた。また、ヘルメット着用率もかなり高かった)登山者はとても多く、年代も様々。スロヴェニアだけでなく、ドイツ、オーストリア、チェコなど近隣の国から来ている人が多く(なぜかすぐ隣のイタリア人はいなかった様子)いろいろな言葉が飛び交っていたが、Helloと声をかけるとみんな笑顔で挨拶してくれた。
登りルート(Prag weg)1:こんな風に鉄棒がいっぱいついている
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登りルート(Prag weg)2:Triglav Domが近づくと、周りはこんな岩山だらけ。
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登りルート(Prag weg)3:真っ白な石灰岩が広がる
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下りルート(Bamberg weg)1:急な下り。
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下りルート(Bamberg weg)2:トラバースも高度感たっぷり。
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下りルート(Bamberg weg)3
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下りルート(Bamberg weg)4:小屋までの谷筋。
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Mountain goat(ヤギ)があちこちに。
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小屋からピークまでの標高差が1800M以上もある長丁場だったが、周りを取り囲む石灰岩の岩がとにかく圧倒的で、また、歩きながら眺める景色もすばらしいので、1日があっという間だった。小屋や頂上付近に大勢人がいたにも関わらず、歩いている間はあまり人気を感じず、広大な山塊の中をとても心地よく歩くことができた。
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この日は小屋でもう一泊。気分がよくて、地図や写真を眺めつつ、ついワインのグラスが進む。確か一杯1.3ユーロ。
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8/18 晴れ→曇り→雨
この日は北壁のGerman routeへ。北壁で2番目にやさしいルートということだが、それでも標高差が800Mはあり、小屋に着いてからずっと眺めている北壁を自分も登れるのかと思うととても嬉しく気持ちが高揚しているのがわかる。と同時に緊張も。 German routeは中盤で、頂上直下に抜けるLong routeと左に抜けて最終的にはPrag wegに合流するShort routeの二手に分かれている。この日は天候が下り坂との予報で、また初めての登攀ということもあって、Short routeへ。岩はもろいところもあったが、注意して登れば不安を感じるほどのもろさではない。石灰岩特有のしっかりしたホールドが多く、フリクションもきき、ガシガシと登れて快適!高度感ははんぱなく、まわりから迫る岩壁の迫力もすごい。快適にさくさく登っていったものの、岩場はやっぱりかなりでかく、だいぶ登ったと思ってもはるか上にそびえるピークにはなかなか近づかなかった。それでも楽しいから全くつらくないし、飽きることもない。
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ホールドばっちりで気持ちいい!
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ここは長い壁の弱点をつないでいるルートで、途中歩いたりコンテで移動するところもあり、残置を追っていけばいいというわけではないので、初見者同士ではルーファイで悩むところが結構あると思う。一見どこでも登れそうに見えてしまうので、安易に取り付くとルートからは簡単に外れてしまい、そのため事故も時々起きているようだった。なお、支点は岩と同化してしまっているような古いハーケンがところどころあるのみだったが、小さめカムが使えそうなところも結構あった。
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所要時間は取り付きまで1時間半程度、ルートは5時間程度、下山に2~2.5時間、といったところか。ちなみに、German routeは手ごろで人気ルートとのことだが、この日は誰にも会わなかった。