2015年の冬、西岳から遠望したギボシの西壁。
そのどまんなかに食い込む真っ黒なルンゼがターゲット。
登攀記録のないこの壁にまずは無雪期にルートを一本開拓し、山巡ルートとした。無雪期のルンゼ自体はあまりにも脆く、最初の垂直部を越えたあと左のリッジに移り、これを登った。最初の垂直部以降、ルンゼは急峻なガレ状に見えた。

垂直部が凍結するか、雪で埋まった冬期なら登れるかもしれない。
条件が揃えば簡単に登れるし、条件が悪ければ登攀不可能。そのどちらかだろうと予想。
東ギボシ山頂の手前稜線から歩いておりれば簡単にアプローチできるが、どうせ登れるかどうかわからないなら、立場川の支流ノロシバ沢を詰めて下から行ってみたい。

それにしてもノロシバ沢って情報少ないね~。
クライマーの間ではわりとよく知られた「バリエーションしましょ」というブログに、冬に登った記録がでていたが、12月で雪が少なく、凍結も甘く、苦労して稜線に抜けた様子。ちなみにブログ主さん、この登攀をした直後に甲斐駒で亡くなったしまったらしく、許可のとりようもなく勝手にリンク張ってしまいました・・・ご冥福をお祈りします。

今回の相棒はYCC(ヤングクライマーズクラブ)の家口さんと、田丸さん。山も酒もパワフルな二人。決して若くはないが・・・・
金曜夜、家口さんの車で北杜市のわが家に移動し、深夜の宴会。
翌早朝まだ暗い船山十字路の先まで車で移動。

いや、水流れてます。
ここのところ大きな寒波もきておらず、凍結状態が心配だったが、この時点であきらめモード。
まあ旭小屋まで行って、状態見て、だめそうなら立場岳でも往復してくるか・・・・と出発。

水の流れる立場川を渡渉して対岸に渡ると、林道があり、踏み跡はないものの、旭小屋あたりまでこれを辿ることができる。

立場川本谷をつめる。踏み跡はまったくなし。
足首からひざ下程度の軽いラッセルだが、水流部は5cm前後くらいの凍結状態で、下を水が流れているところも多い。
ときおり踏み抜いてドボンするし、歩きづらいことこのうえない。

唯一、堰堤にできた氷瀑でアイスクライミングのまね事。氷が硬すぎて結構怖い。

氷の踏み抜きドボン、要注意!

何度かドボンして、濡れた足回りがあっという間に凍り付きながらも意に介さず、パワフルなラッセルで先行してくれる家口さん。いや~助かるわ~。
ちなみにドボン王者は家口さん。次が田丸さん。赤沼はドボンなし。

どうやって越えよう・・・怖いこわい。

快晴無風で気温は低め。マイナス15度くらいかと思われる。
年齢には勝てず寒さ耐性がかなり落ちてます。
若いころはフリースの上に、ダウンなんか着て歩いてたら大汗かいてたもんだけどな~。

ノロシバ沢に入ると水流が減って、全面凍結。安心して歩けるようになった。

この日は日帰りで行けるところまで行って、下山の時間を考えて11時になったら引き返すということにしていた。
この時間内で、あわよくばギボシ西壁ルンゼを登ってしまおうかなんて考えていたのだが、まったくの計算違い。11時時点でノロシバ沢の4分の1程度くらいまでしか行けず、ここでタイムリミット。
残念ながらギボシの全景も見られず引き返すことに。

でもまあ偵察行としては、だいぶ雰囲気がわかったのでOKとしよう。

  • 完全凍結していないとアプローチがかなり厄介。寒波のきたあとを狙うべし。
  • 雪すくなく中途半端は歩きにくいのなんの。あったりまえか~。
  • 雪多すぎるとやっぱつらいよね。あったりまえ。
  • 雪が締まってないとつらいよね。あったりまえ~。
  • つーことは、やっぱ3月あたりの冷え込みのあとを狙うのがいいかね。まあ最初からそうだとは思ってたけどさ。
  • 立場川もノロシバ沢も、とりあえず到達した範囲では氷瀑らしい氷瀑はなし。上部に少しはあるらしいが、技術的問題はなさそう。
  • アプローチは思ったよりだいぶ長い。日帰りで行こうなんて考えが相当甘かったらしい。ノロシバ沢出会いあたりでテント張って、2日行程くらいは必要と思われる。
  • ギボシあたりを遠望した感じでは雪があんまりついてない。これもやはり3月あたりの雪がそこそこあって、締まった時期がよしとの結論になりますな。
水流の横を溜息つきながら下山する田丸さん。動画です。音が出ます。
今回のトラックレコード

当然の打ち上げ。下山は案外早く、午後3時~5時で1次会。一回昼寝して午後8時~午前2時前に至る2次会。3人で2升をコンプリートしました。わたしゃ酔っぱらって、iPhoneをストーブで焼いちゃった。ケースが焦げただけだけど・・・・