山岳巡礼倶楽部、赤沼の個人ブログ

カテゴリー: 八ヶ岳南麓

比志津金山塊、狼煙リレーの城たち

比志津金山塊と言われる、一連の里山的な山たちに関心をもってざっとネットリサーチをしてみた。比志も津金も北杜市須玉町に属する地名ではありますが、比志津金山塊全体がどちらかに属しているわけではなく、行政的には須玉町小尾、比志、下津金、上津金、江草、東向・・・・と言ったいくつかの地名が包摂されているようです。まあそれは所詮行政区分ということで、この山塊の性格を決定づけるものではないでしょうがね。
さて、この地域を地図などで眺めていると、多くの神社仏閣や城址があることがわかります。そして各城址について調べると実に多くの狼煙台がそこに連綿と設置されていたことがわかります。
もうひとつわかったのは、先日登った斑山には金鉱山があったらしいこと。

北杜市高根町側(西側)からの斑山

ここでは歴史、文化の調査を目的としているわけではなく、興味の対象はあくまで「里山的な楽し気な山脈」なんですが、上記のリサーチからとりあえず安直な結論をくだすなら、この一帯は甲斐武田源氏一族の発祥の地とも言われるくらいの武田源氏ど中心な地域であり、文化的痕跡を多くのこしている地帯であるということです。武田家は金鉱山の開発といった産業を興し、この一帯に点々とつながる城のネットワークをつないだ狼煙リレー方式の伝達網を駆使しつつ、棒道と呼ばれる物資や人を運搬する戦略的ロジスティクスを展開して信濃などを攻略していったと、そういうことのようです。

根古屋神社の大ケヤキと獅子吼(ししく)城址(城山)

獅子吼城(別名江草城または江草小屋)は標高788mの山城で、山名は城山となっている。当然ながら狼煙リレーの重要な中継地点の一つ。その麓にあるのが根古屋神社で、本殿をはさんで二本あるケヤキの巨樹が国の天然記念物とされ、観光対象ともなっている・・・・・と情報にはあるが、ゴールデンウィーク中に2回いったが一切人には出会わず。つまり静かな良いところだった。

なかなか立派なケヤキです。樹齢1000年とも言われているらしく、実際樹の洞は大きく開き修復が施されている。

根古屋神社の右手を巻くように細い車道を進むと、獅子吼城址への登山口があります。

気持ちのよい樹林と岩ごろごろの急登を15分程度で山頂に着きます。
山頂からは甲斐駒ヶ岳をはじめ、南アルプスの連山や富士山までが一望できます。

海岸寺

海岸寺は比志津金山塊の西。小川山に通ったクライマーなら、安くお風呂に入れる「おいしい学校」の少し北と言えばわかるでしょうか。141号線近くの大門ダムのちょうど東くらい。大門ダムと海岸寺の間には1087.8mのピークがありますが、ここもどうやら山城だったらしく源太ヶ城と呼ばれているようです。余談ですが、地図を見るとこのピークの近くまで細い車道(林道)が到達しているように見えるので確認にドライブしてみました。が、どうも廃道くさく、車でのアプローチは難しそう。

海岸寺は臨済宗の禅寺。

山奥の静かな禅寺、海岸寺は入口に「観光客は受け入れていない」旨、板書されています。境内には100体観音といわれる石仏が並んでいます。

禅寺だけあって静けさに包まれた境内は心安らぎます。
樹林を前にした瞑想用のベンチなどもあります。
2回訪ねましたが、まったく人には会わず。

2回目は観音堂のさらに上の山中を散策(道はなし)。とおくに甲斐駒が見えます。

比志津金山塊って知ってる?

八ヶ岳南麓の別宅で半日ほど時間があったので、軽い山歩きでもしようかと周辺の地図を見ていてみつけたのが斑山(1115m)。マイナーながら登山道もあって1時間ほどで山頂に行けるようです。

この辺を比志津金山塊と言うそうです。

斑山のことを登った後にわかったのですが、この茅ヶ岳(にせ八ヶ岳とも言われる)と八ヶ岳の間に位置する山塊を比志津金山塊というのだそうです。甲斐大泉駅近くの別宅に通うたびにこの山並びが気になってはいたのですが、その名前は初耳でした。

で、とりあえず斑山行ってきました。

多麻トンネルの西に「斑山登山口」と小さく書かれた登山口があります。

【斑山】
斑山は比志津金山塊の南端近くにあります。
小さく目立ちにくい登山口の反対車線側に駐車して登山開始。舗装された林道はすぐに樹林の登山道となります。
最初はいくらか急な登りですが、稜線にはいってからは気持ちのよい起伏を越えていきます。八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳の山々も遠望できます。
ブナの花々や珍しいきのこ類も目を楽しませてくれます。
のんびり歩いてピークをいくつか超えていくと、1時間ちょいとで山頂に到着。

さて下山後、斑山について調べてみました。
斑山は日本山岳会山梨支部で発表している「甲斐百名山」のひとつとして紹介されていました。そしてそれ以外にも比志津金山塊から、笠無(1476m)、三ツ沢の頭(丸山)(1665m)の二つが入っているようです。
これらの山には時折登山者が入っているようで、登山記録には斑山が貴重なきのこ(松茸?)の産地であるため、秋は閉鎖されるとか書かれていましたよ。

斑山にはこんなキノコも多数。

Google画像検索するとChaga Mushroomというのが近い感じ。もしそうだったらカバノアナタケとか霊芝とか言われる貴重なキノコなのかも???

比志津金山塊。なにやら楽しくなってきました。
● 立地的にマイナーで人静かな山歩きができそう。
● 八ヶ岳や南アルプスにも近い絶好の山岳地帯
● 松の植林が一部あるほかは広葉樹のブナ林で4月のこの季節は緑が美しく、花々も楽しめる。キノコ類なんかも豊かなのかも
● 周り中に由緒ありげな神社仏閣が多くあります。歴史的な発見もあるかも。

というわけで、しばらくはこの辺で遊べそうです。

清里駅までお散歩

可愛らしい2両連結のローカル電車小海線は、小淵沢駅を出ると八ヶ岳の南麓ののどかな風景の中を横断し、清里からは八ヶ岳の東側を小諸に向かって北上していく。小淵沢駅を出て2駅目の甲斐大泉にほど近い我が家から、3駅目の清里駅まで、寒さのやわらいだ冬の休日に1時間ちょっとの散歩をしてみた。

我が家から林道を甲斐大泉駅方向に北上すると、すぐに北杜八ヶ岳高原線という大通りに出る。真正面に白い八ヶ岳、左には甲斐駒ヶ岳が広がる。この大通りを東へ向かえば約1時間で清里駅に着く。

甲斐駒ヶ岳の雄姿。ちょうど頭の真上のスカイラインが摩利支天の南山稜あたりかな。
このスカイライン沿いを登ってみたいといいつつもう幾年月。今年こそは!

北杜八ヶ岳高原線に出るとすぐに親子丼で有名な中村農場の直売所。
コロナのせいか(?)お店は休業中だった。

北杜八ヶ岳高原線を清里に向かう。まもなく八ヶ岳高原大橋。
さらにその先に見えるのが清里丘の公園の緑。
この中を歩けるかと期待していたけどフェンスに囲まれていてがっかり。
妻は車がうるさいとぶつぶつ。
八ヶ岳高原大橋から振り返ると北岳から甲斐駒ヶ岳、鋸岳まで一望。
通りの北にはずっと八ヶ岳

丘の公園に沿って大通りを離れ、清里駅に至る林道に入る。ようやく喧噪を離れ一息。

小海線に沿って静かな樹林を歩く。
いきなり清里駅近くの軽薄な街並みがあらわれる。
それにしても廃墟化した建物も多くて相当な寂れ具合に哀愁も。
萌木の村の有名店ROCKでワインでも飲んで帰るか~と行ってみたら人がわんさか。
お店には行列ができていた。
清里駅は閑散としているのに、この違いはなんでしょうか。

ROCKはあきらめ、清里駅近くの和食屋さんへ。
ここで時間つぶしして、電車で甲斐大泉に戻ろうというプラン。
寿司メインらしいが店主が趣味で釣ってきたという太刀魚の天ぷらがうまかった!
ついつい飲みすぎて、千鳥足で駅に向かうことに。

2両連結のかわいらしい小海線で帰るのだ。

山巡じじい会夏合宿「八ヶ岳冷山」

「あと15年で設立100周年」となる山岳巡礼倶楽部。
どんどん部員が高齢化する山巡の活動は年1回程度のハイキング&山宴会が恒例化しつつあるのみ。

「次の活動は八ヶ岳の知られざるピーク冷山付近にあるという、謎の黒曜石巨大露頭を探索に行こう!」
と言い出したのは、山巡にあってその緻密な調査力とこだわりの強さで一頭地を抜くわたべ氏。ちと面倒くさいタイプとも言うが、そのおかげで下又白谷のウエストンリッジというユニークなルートが発掘(開拓でも登攀でもなく発掘と呼ぶのが似合う山登りでした)されたのも事実。わたべ氏は「ついでにバードウォッチングがどうしたこうした・・・」とも言うがそちらは完全スル―。

要は楽しくハイキングでも探索でもやって、その話題を肴に楽しく飲めればいいやというのが本音の山巡じじい会にとっては、それはある意味最高の提案であった。奥様から「じじいは無理しないっ」とストップのかかった最高齢のSさんが不参加となり、今回はわたべ氏、二階氏と私の3人のみ。ちなみにヒマラヤカラコルム某ピーク初登頂時のサミッター二階氏は、「翌日は天狗山ダイレクトか瑞牆山本峰正面壁でクライミングな」とか言うので、納戸の奥からカビのはえたロープやらボルトキットやら引っ張りだして持って行ったのに、本人は「クライミングシューズ捨ててしまったのでズックで登れるかな?」とか言ってるし。山巡おとぼけじいさんずとでも呼び名変えようかな~

まずは冷山山頂に向かう。

早朝都内某所で集合。一路、麦草峠へとドライブ・・・・のはずが、近づきつつある台風の影響で通行止め。大回りして現地についたときは昼をまわっていた。
前夜あたりからようやく始まった黒曜石露頭探索の作戦会議で、まずは冷山の山頂に立ち、しかるのち、ターゲットに向かう踏みあとがあるはずだから車で探すという方針が決まったばかり。
麦草峠近くに車を停め、狭霧園地から渋の湯への踏みあとへ。冷山へは登山道がないが、GPSを頼りに途中から踏みあとをはずれて小一時間であっさり山頂に至る。

この辺一帯は北八ヶ岳らしい苔むした露岩と樺類の疎林に覆われた気持ちのよいところ。歩き始めが2000mを超えていることもあって標高2193mの冷山までも楽な行程。
山頂は見晴らしもなく、さあこれで酒の肴(話題)もできたし帰るか~というとき、樹に張られたテープに「至る 冷山黒曜石」の文字が・・・
もう昼も回っているし、今夜の宴会場になる山梨の私の別宅にドライブする時間などを考えるともう引き上げたいところ。「悪いものを見つけてしまったな」と思いつつも、同じピンクのテープをたどると、わたべ氏が黒曜石露頭があると予想していた方向にまっすぐに向かっている様子。

結局、現場興奮症の二階氏を先頭にどんどんと斜面を降りて行くこととなった。わたべ氏の予想が正しいと黒曜石までは標高200-300mは下りていく必要がある。地図を見るとそこまで下りて行った場合、うまく国道に戻ることはできず、同じ踏みあとを冷山山頂まで戻ることになる。

大声で二階氏を制止し会議の結果、黒曜石は今日は無理と判断。少し登り返し、途中からGPSを頼りに麦草峠方向に山腹をトラバースして最初の踏みあとに合流することとなる。全身泥まみれのやぶ漕ぎで踏みあとになんとか帰着し無事麦草峠に。
地図を持たない二階氏は、そのまま斜面をおりて黒曜石を見たら、近くの国道に出て待っていれば、赤沼が車をとりに行くだろう( ^ω^)・・・という不埒な考えをもっていたようで。

探検終了後の宴会

テラスの階段作った!

木製のテラスや階段にはキシラデコールという防腐塗料が塗ってあり、2年に一度くらいは塗り替えるようにしてます。
しかし地面に接している階段はどうしても腐りやすく、コロナでしばらくこないうちにすっかり機能を果たさなくなってしまいました。

しょうがないので一念発起。
草ボーボーで埋もれている階段をまずは解体し、草を刈って地面を整地。
足場部分にタイルを敷いて見栄えをよくした上に、ごくシンプルな木工作業でステップを作りました~

材料費しめて18000円ほどでした。

ピザ窯を作ってみた。

息子高校3年生。中学時代の親友を連れて八ヶ岳の家にやってきました。息子は生まれてこの方こんなことばっかりやっているので、焚火はお手の物。

焼き物は全部息子におまかせ。

われわれは出来上がりを待って食べるだけです。

てかそれ、パパの登山用のダウンジャケット・・・

夜になってもまだやってますな。

朝ごはん
二人でピザ窯を作るんだと張り切ってます。材料代負担と製造指導はこちらの役割らしい。
結局手を出し始める父ちゃん
水平のとり方を指導
土木工事進む
薪もそろえて火入れです。

熱の対流とか何も考えない試作なんで問題はいろいろありますが、まずはおいしくできました。

八ヶ岳南麓にて

妻とは小学校1~2年の多くの時間をともに過ごすほどの仲良しだった。
でも小学校3年生のときクラスが別れてからは、なんだかんだ40年以上の音信不通。子供ってこういうところが淡泊で、お互い連絡先すら交換していなかったのですな。
それぞれに家庭を持ち、子供を育て、そして配偶者を亡くしたという似たような境遇の者同士が再会し、一緒に生きていくこととなりました。
再婚してからもしばらくは、それぞれの子供たちと暮らしていましたので、週末を二人で過ごす場所としてこの家を手に入れました。

甲斐大泉は小さな無人駅

八ヶ岳南麓、甲斐大泉駅の南に位置するここは、中級山岳に囲まれた美しい環境が最大の魅力です。

高度1000メートルに位置するこの家に週末に通うようになってからは、白樺や多くの緑に恵まれた自然のなかを散歩したり、家から見える山を順番に登っていったり、また近所にいくつかあるテニスコートで妻からテニスの手ほどきをうけたりといった日常が始まりました。

当初はほぼ毎週ここに通っており、それぞれの子供たちや友人が遊びに来たり、私の山仲間が登山のついでに寄ってくれるようになりました。天気の良い日にはバルコニーや庭でバーベキューをするのも楽しい時間です。

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